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2013年1月

2013年1月31日 (木)

ウォータードリッパーというもの

先週、ちょっと体調を崩していたのだが、
その憂さを晴らすために、とある金物屋のホームページを見ていたら、
コーヒー関連器具の中に、「ウォータードリッパー」なるカテゴリを見つけた

覗いてみると、いわゆる、水出しコーヒーを淹れる器具が並んでいる

水出しコーヒーには、麦茶のように、ティーパックにコーヒー粉を入れて、
水に浸けて抽出する方法もあるが、
ウォータードリッパーはそれとは異なり、
水をごく僅かずつコーヒー粉に点滴させて、ゆっくりとドリップ抽出するための器具だ

抽出に長時間掛かることもあって、
普通のお湯淹れコーヒーとは比較にならないほど趣味性が高い水出しコーヒー

自然と、それらの器具はどれも高価だ


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iwaki 8635-SV Amazon価格で17,600円(!)


と思っていたら、その中に、とても洒落ててお手ごろな商品を見つけた


これだ


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iwaki K8644-CL Amazon価格で1,600円(!)


一般的なウォータードリッパーは、
ゆっくりドリップする、というところに独特の工夫が凝らされているものだ

たとえば、上の写真の8635-SVという製品には、水量調節用のコックが付いているし、
他にも、金属製のスプーン状のものが付いているものもある


しかし、このK8644-CLという器具は、その、一番工夫がなされるべきポイントを、
成型樹脂で、さらっと簡単に作ってしまっているのだ

趣味性が無いと言えばそれまでだが、
その、過度とも言える趣味性を省いているところが気に入ってしまった


で、自分への全快祝いのつもりで、ほぼ即断である



ところで、水出しコーヒーには思い出がある

18年前の今頃、バブル景気に物を言わせて、ヨーロッパを旅したことがある

一応、建築の見聞を深める、という名目だったが、
食を楽しまずして何をか楽しまん、とばかりに、飲んで食ってばかりの旅だった

そんな旅の途中に訪れたオランダのアムステルダムで、
ふと入った、半地下造りの喫茶店で飲んだコーヒーが、
今でも忘れられない美味さだったのだ

帰国後、馴染みの焙煎店にそのことを話すと、
あぁ、それはきっと水出しのホットコーヒーですよ
と教えてくれた

ブラックで飲んでいるのに、ほんのりと甘くて優しい香りは、異次元的ですらあった
その後、イタリアでも、フランスでも、スペインでも、コーヒーを飲んでみたが、
同じ味に巡り会うことはなかった

コーヒーは当時から好きだったので、それなりの品質のものを飲んで知っていたが、
ここで飲んだ味は、今まで飲んできたどれとも違っていた


水出しコーヒーを、俗にダッチコーヒーと呼ぶ

ダッチとは即ちオランダのことだが、かの国でも一般的と言うほどのものではないらしい
となると、オランダでも一般的ではないダッチコーヒーをオランダで飲んだということだ
甚だややこしいが、そういう経験が過去にあったのだ



水出しコーヒー自体を飲ませてくれる店は日本にもあるが、
旅の思い出にしたくて、帰国以来、一度も飲んだことはなかった


それから18年・・・・


注文したウォータードリッパーが手元に届いた

丁度、手元にフルシティローストのケニアAAという豆があったので、
それを淹れてみた

マグカップ3杯程度を淹れるのに、およそ4時間以上掛かったその味は・・・

まず、温める前に、そのまま飲んでみると、
控え目ながらも、ホットで淹れたのと全く異なる濃密な香りに圧倒され、
そして、トロリとしたやわらかな口当たりと、濃厚な甘みと旨みに圧倒された



もう、ものすごい美味さである



まさに、オランダで飲んだ、あの異次元の味・・・
いや、恐らくあれより美味いと思う




この、形のいい器具と、ウォータードリップという淹れ方
これは、実にいい楽しみを見つけた


コーヒー器具など、一度買えば10年以上使えるものだ

1,600円ならば、安い買い物だろう


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これぞ珠玉の味。時間は掛かりますが心よりお奨めします・・・

2013年1月27日 (日)

成田詣で'13初春

今年最初の成田山参詣に、昨日(平成25年1月26日)、行ってきた


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こう見ると閑散としているのだが・・・

昨年は思わぬ多忙で参詣できずにいたので、
一昨年の10月に行って以来、1年3ヶ月振りの参詣になった

この時期に成田山に行く、と聞くと、普通は、

あぁ、混雑を避けた遅めの初詣だな、とか、
あぁ、混雑を避けた早めの節分だな、とか、

思われるだろうが、そのどれでもない


実は、1月いっぱいしか販売されない、独特な新酒が目当てなのだ


成田山門前には、長命泉を看板に上げる瀧澤本店という造り酒屋がある

この、門前唯一の造り酒屋が、
この時期だけ、活性酒という、醗酵中の濁り酒を販売する

両親がそれを気に入り、毎年のように買いに行っていたのだ


しかし、高齢化を理由に、父に自家用車を手放させたこともあって、
お気に入りのこの酒を買いに行くこともなくなっていた
そもそも、母が亡くなり、出掛ける気力をガクリと落とした父が、
重たい一升瓶を買いに行くことなどもちろん無かった

私自身は、年に一度は成田に行っているものの、
初詣と節分で大変に混雑するこの時期は避けているので、
代わりに買うこともできなかったし、
また、醗酵中で発泡している酒ということで、
醸造元の瀧澤本店も、輸送中の漏出事故を恐れ、通販していない

ということで、父は、このお気に入りの酒をしばらく味わっていなかった


毎年、この季節になると、その酒の味を懐かしんでいたので、
車を取り上げた私からのささやかなサービスとして、
父を乗せて、成田までドライブしてきた、というわけである


一月も4週間近く過ぎ、節分会は来週、という日取りだったので、
さほど混雑していまい、と思っていたのだが、
近くまで行ってみて驚いた

駐車待ちの渋滞が、新勝寺直営の駐車場の手前1.5kmほどまで繋がっていたのだ

甚だばかばかしいので、山門の近くまで行き、
信徒会館前に、キーを預けるシステムの、一日800円という駐車場を発見
車をここに停めて、まずは新勝寺で護摩祈祷を申し込み、本堂に参詣してから、
昼食に、いつも行っているうなぎの川豊へ行ってみて、また驚いた

店の中から外まで、ざっと30人以上の行列ができていたのだ

実は、数日前に、アドまちで紹介され、私もそれを見ていたので、
混んでいるだろうと想像はしていたが、これほどまでとは思っていなかった
あの混雑では、落ち着いて料理もできないだろうし、
そもそも落ち着いて食べられないだろう

そんなに並んで待つのもばかばかしいので、
また空いているときに食べればいいとさっさと諦め、
一軒挟んだ近江屋という店に入ると、並ばず、即座に席につけた

ここの国産と掲げる鰻はフワッとしていて美味かった
残念ながら、うな重のお米が今ひとつだった
味も良くなかったし、炊き方もちょっと水が多かったが、
これがいつものことか、今回だけのことかはわからない

しかし、基本、料理は充分に美味かった
肝焼きは、焦げ味と苦味しかない、というありがちなものではなく、
爽やかな味付けでとても美味かったし、なにより肝が大きかった
鯉の洗いも爽やかで歯ごたえが良く、付け味噌も素朴な美味さだったし、
その味噌に気を良くして頼んだ”ぬた”も、やはり美味かった
中の魚は鮪で、その量の多さも嬉しかった

そして、地元の高校生と思わしきアルバイターは初々しくて可愛らしかった


店を出る頃には10人程度の行列ができていたので、
入ったタイミングが良かったのかもしれないが、
ここも、また機会があれば来てもいいな、と思える店だった


殆ど変わらない川豊の行列の長さを横目に、賑わう門前町を散策し、
お目当ての活性酒や、名物の羊羹、鉄砲漬けを買いつつ、新勝寺に戻った

道を戻る頃には、川豊の行列も1/3程度に短くなっていたが、
それでも、行列はまだ店の外に長く繋がっていた

アレでは、下手をすると、店が潰れてしまう

行列を作っているお客さんは、恐らく一見ばかりだ
おこがましいけれども、何度も来ている我々のような常連は、
「また空いているときに食べよう」と我々が思ったように、
あの行列に並ぼうとは思うまい

しかし、次に来るまでの間に、またどこかで紹介されてしまったら・・・

一見相手の食事処の常の流れで、
恐らく仕事も雑になるだろうし、味も落としてしまうだろう

テレビは、よほど気をつけて出演しないと、
名店であっても簡単に潰れてしまうに違いない


新勝寺で、申し込んでおいた護摩祈祷の木札を受け取り、
再度本堂に上がり、昨年一年に知り合った、ネット友達のために手を合わせた

病気持ちの友人には、当病平癒
勉学に勤しむ友人には、学業成就
災難続きの友人には、災難消除
恋愛が始まった友人には、心願成就

僅かな賽銭では何のご利益もないかもしれないが、
写真を添えて、友人たちにそれを伝えたら、
そのうち、病気持ちの友人二人から、お礼の返信を頂いた
気持ちを受け取ってくれたのだろう

とても嬉しかった

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五千円の護摩祈祷で、御札御神酒、落雁を賜さる


ところで、私は、成田の往還に、東関道は使わない
必ず、千葉の柏を経由する所用があるからなのだが、
外環三郷西で下りるいつものルートは、流山と柏の渋滞が悩みの種だった

そこで、今回は、その渋滞を避けるべく、外環~常磐道を流山まで走り、
東武野田線沿いを、初石駅からJR南柏駅の北まで繋ぐ市道を使ってみたが、
土曜の10時ごろのこの道はあまり渋滞していなかった

その先は、いつも県道282号線で手賀沼をやり過ごすが、この道は渋滞しない
その先、木下(きおろし)を抜けて、国道356号を安食(あじき)に向かうが、
いつもは、将監川南岸の旧道(利根水郷ライン)を利用してきた
この道の最大の欠点は、道の狭さと「安食交差点」の渋滞で、
特に、安食交差点の渋滞はかなり酷く、そのうえ逃げようが無いのだ

そこで、今回は、木下から安食バイパスを走り、成田安食バイパスに抜けてみた

安食バイパスは殺風景そのものだが、そのぶん利根川を望む景色が良いし、とにかく空いていた
その先の成田安食バイパスも、繁忙期以外なら新勝寺まで渋滞知らずのようだ

このルートで、流山から成田までの所要はおよそ1時間半である


埼玉県狭山市から成田までは、東関道利用で2時間ほどだが、
このルートでも、3時間ほどしか掛からない

天気のいい日なら、のどかな田園風景と素朴な集落が目を楽しませてくれる、
おススメのドライブルートだ



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炭酸の刺激と仄かな苦味。もうこんなに飲んでしまった・・・

2013年1月24日 (木)

美味いとは

私は、美味い食事が好きだ


食べ物、飲み物、雰囲気・・・

「美味い」ということがらは、なかなか奥深いものである


とは言いつつも、実は、いつ、どこで、何を食べても、
だいたい美味いと感じる人間でもある


ただ、何度も口にしたいと思うものは、やはり限られる


それなのに、何度も口にしたいものと、そうでないもの、
それらに明らかな差を感じているかといえば、正直言って自覚がない



ケーキ屋さん、ラーメン屋さん、レストラン、小料理屋、ファミレス、ファストフード、
スーパーで買うお菓子や味噌に至るまで、
それぞれ、「これ」という店や食料品が頭にある


自覚は無いものの、それなりの年月というフィルターを通り越して、
また食べたいな、と思うものが、より美味いものとして選り分けられるのだろう





私は、親に褒められたことが殆ど無い人間だが、
よく褒められた数少ないことがらが、
何を食べに行っても、とても有り難がって食べることだった

いかにも高そうな寿司屋
高名な中華料理店
腰が引けるような料亭
知る人ぞ知るイタリアンリストランテ

父や祖母は、年齢不相応な店にたくさん連れて行ってくれた


私は、生来の珍しがりやで、好奇心が強いらしい
その上、料理は何を食べてもたいてい美味いと思う人間だから、
連れて行ってくれた父や祖母は、興味津々の私を見て、
少なくとも気持ち良かったことだろう


そんな父と、つい最近、和食のファミレスに行った

贔屓にしているそれなりの和食処が満席で、仕方なく入った店だった

メニューから、焼き魚や小さな鍋などの肴を選び、チビチビと酒を呑んだ

目に入るのは、美しい庭や天井の木目や綺麗な仲居や、
それらを照らし出す落ち着いた明るさの照明ではなく、
雰囲気などまるで無い、煌々とした光源に照らされた店内と、
不慣れな店員と、せっかく同じ時間と空間を共にしているのに、
何が楽しいのか、スマホを弄っている現代の若い男女だったが、
出された料理と酒は、決して不味くはなかった



「こういう店も、使いようで楽しめるじゃないですか」
私がそう呟いたとき、やはり、父が言った
「おまえのいいところは、そうやって何でも善い様に有り難がるところや」

いくらでもないその会計を快く払ってくれた父に、私は感謝している


ファミレスでのお手軽な食事にも、美味さはある

それは、高級料理店との比較がナンセンスな、
それぞれの絶対値的な美味さである




ファミレスで奢って貰っても有り難くない、と思う人もいるようだ

その人にどうこう意見しようとは思わない
したところで理解されないのは火を見る程に明らかだ

私は、ある一緒の時間を共にし、
食事や会話を楽しむこと自体に、有り難さを感じる

そして、食事の絶対値的美味さとは、そういう類のものだと思っている


そういったものこそが、むしろ、美味さの本質だと思っている私にとって、
食事の味は、その「美味さ」を彩る脇役だとさえ思えているのかもしれない








ところで、最近、私のような人間は、「重い」といって敬遠されるらしい


感謝すれば重いと言われ、話を盛り上げれば饒舌と言われ、
叱咤すればプッツリ切れ、激励すれば心の負担になるからやめてと言われる


現代という社会は、とてもとても気難しいもののようだ




現代の若者でなくて本当によかったと思う

2013年1月15日 (火)

努力とそのタイミング

小さな設計事務所に入社が決まったのは11年前のことだった


以前から、社長さんとちょっとした知り合いだった流れで決まったような就職で、
大学で建築を専攻しながら、設計の仕事に就いたことがなかったことも、
仕事場で使われていた製図道具であるCADの経験がなかったことも、
まるで無視されて決まってしまった

なのに、課された主な業務は、住宅の設計図のCADを使った製図である
いわば、完全なる知識ゼロと経験ゼロでの就職だった
そのうえ、職場は、社長一人、先輩一人という極小所帯ゆえに研修などなく、
必要な知識は全てOJTで身につけていかなければならない

新卒でもない人間にとって、それは緊張を強いられる現実だった


就職が決まった日の帰り、書店で建築専門書とCADの手引き書を買い込んだ
幸いなことに、それらの本はひたすら楽しく興味深く読むことができたが、
本で獲られる知識をはるかに超える量を求められるのが仕事というものである
知識不足と経験不足の日々はとても辛く、精神的にも追い込まれた
距離で60kmを越える1.5時間の通勤時間も心を荒ませた
帰りの電車の中で、それこそ、毎日のように辞めようかどうか悩んでいた


しかし、私のそんな心情を察していたであろう先輩が、
仕事が早く終わると、社長抜きで飲みに誘ってくれて、その都度、
「まだ辞めちゃダメですよ。もうしばらく頑張りましょう」
そう言って励ましてくれた
そのおかげで、試用期間の3ヶ月が終わる頃には、
CADにもだいぶ慣れて、仕事の質とペースについて行けるようになっていた


あれから11年が経ち、その間に、その設計事務所からは退いた
今は気楽な一人仕事の身の上であるが、
蓄えた建築の知識とCAD操作のスキルは、
今もそんな私の収入を得る道具として役立ち続けてくれている

建築という限られた分野の専門知識は、幅も広く、奥も深い
それは、大学で専門教育を受けた基礎に助けられた

しかし、CADは所詮PCのアプリケーションであり、それはすなわち、
他のものと同様、楽チンに仕事をするために作られたものということだ
CADというと、触れたことの無い方々には難しいものと感じられるだろうが、
アプリケーションなど、ある程度の努力で、ある程度は身につくのだ

それでも、あれから11年が経った今、私には、あの状況に置かれて頑張れる自信は無い


私がその設計事務所に入り込んだのは、32歳のときである
やはり、30代は若かったんだと思う



だから、そういった年頃の若い人には、なんとしても努力してほしい

努力は、自分に向き合うことで成されるものだ
それは孤独で、必ずしも楽しいものではないが、
つらい思いをして努力に耐えれば、その先には何らかの成果が待っている

易きところ、居心地の良いところに身を委ねれば、
一時は気持ちよく癒されることだろう
しかし、それだけでは何も得られないことを強く意識してほしい

努力の必要な若者が、無益に時間を浪費しているのを見ると、
勿体なく、残念に思え、励ます気持ちも萎んでしまう


その時間を、ぜひ努力に費やしてほしい



あのころ励ましてくれた先輩は、今は仕事上のパートナーである
つらい時期を耐えさせてくれた心遣いへの感謝の念は今も変わらない

2013年1月 6日 (日)

謹賀新年

新年 あけましておめでとうございます


旧年中は、こんな、内向的な文章の羅列であるにもかかわらず、
多くの方にお読み頂きまして、ありがとうございました

いつの間にか、来訪者カウンターも1.4万を超え、
凡人の徒然には過分な結果に恐縮しております

本年も、恐らく何ら変わらないと思いますが、
もしよろしければ、皆様の日々の何かのために、引き続きご愛顧くださいませ


H25
本年、リアルで用いた年賀状です(無論名前以外ですがw)

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