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2012年10月 6日 (土)

夏旅2012 その9 <旅中旅>

この家からは、一日かけた日帰りで、いくつかの観光地に行ける

今年は、母が亡くなって三回忌にあたる年なので、高野山に行って回向することにした

うちは、高野山派の真言宗なのだ

真言宗でもない友人一家を、よその家の法事に付き合わせるのは気の毒だが、
高野山は一つの観光地だし、遠くてなかなか来れないところだから、
昼食も兼ねてお誘いしたら、興味津々の二つ返事で参加してくれた

街全体が宗教施設と言ってもいい高野山だが、宗教色は感じない
これが1,200年の伝統なのだろう



家から高野山までは2つのルートがある

一つは、山の稜線を辿るもので、
標高1,200mから紀伊山地を360度見渡せるその車窓が素晴らしく、
高野山に行くときは毎回この道を使っていた

ただ、今回はあいにくの悪天候で視界が全く期待できなかったうえ、
勾配もカーブもきつい道で車酔いにでもさせてしまったら元も子もないので、
今回初めて、高速道路を使うルートを試してみた

家から田辺ICまで45分、そこから和歌山ICまではちょうど一時間
高速を下りて、国道24号を東に小一時間進んだところで、
紀の川万葉の里という道の駅に着いた


この先、山道に入るので、ほんの一服のつもりで立ち寄ったこの道の駅
周辺が果物の特産地のようで、桃やぶどう、梨などがたくさん売られていて、
どれも美味しそうでかなり安かったから、幾つか買って帰ってから食べたが、
どれも本当に美味かった

トイレは小さいが、駐車場は広く、
他にも美味しそうな農産物やその加工品がたくさん売られていて、
おススメの道の駅だ


雄大に聳える紀伊山地の北斜面を豪快に駆け上る国道480号は、
勾配こそきついものの、カーブはゆるく、割と走りやすい道だった
ただ、国道370号に接続してからは、勾配こそさほどではないものの、
カーブが細かく連続する狭い道で、かなり走りにくかったが、
幸いなことに、10km程度と距離が短かくて助かった
線形改良工事があちこちで進められていたので、
次に走るときは、随分と走りやすくなってるかもしれない

そのくねくね道は、目の前に突然真っ赤な大門が見えたところで終わる

そこから先3km余りが、高野山の街だ

ちょうどお昼だったので、まずは本山に行く
お昼ご飯に寺の精進料理を出してもらうよう、事前に連絡してあるのだ

うちの本山は、ちょうど街の中心にある普賢院である

寺に入ると、僧侶が応対してくれる
事前に連絡してあったので、すぐに奥の応接まで通され、お茶とお茶菓子でもてなされた

やがて、過去帳を持ってきてくださり、母の戒名を確認すると、
いよいよ本堂に通され、案内されるままに、くすんだ緋毛氈の上に座る

既に、御簾の中には僧侶が5~6名ほど座っていて、
やがて、厳かに高らかに、なにやらの経を唱え始めた

私は、この読経の響きが好きだ

宗教についてはほぼ無知だが、
香の漂う薄暗い本堂で、多くの僧侶が、我々のためだけに、
美しい合唱を奏でてくれる
ありがたいことだ

母とも何度か来たこの本堂に、遥々埼玉から来て焼香までしてくれた友人一家を、
きっと喜んでくれるだろうと思う

やがて、御簾から三方に乗せられたお供物が下される
お供物は、お守り、葛湯、お香、数珠といったもの。お守りは、人数分下さった
受け取った代わりに、御布施を乗せ、三方をお返しする
読経は続いているが、案内役の僧侶に隣接する祭壇に導かれ、
阿弥陀如来と不動明王の真言を唱えたのち、少し離れた広い一室に通された

既に、精進料理があらかた用意されている

座って待っていると、修行僧が残りの料理を運んでくれて、
お茶を淹れてから、ごゆっくりお召し上がり下さいとだけ言い残して出て行った

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事前に依頼しておくことで供される精進料理

これが、なんとも美味い

葛をたっぷり使ったねっとりとした食感の胡麻豆腐
軽く焼いて田楽味噌を乗せたもちもちの生麩
出汁の染み込んだ高野豆腐の煮物
もずくと酢茎の酢の物、喉越しを楽しませる素麺などなど
品数も多く、目にも楽しい

寺坊の広い一室を借り切って、時間を気にせずのんびり味わえて、
大人一人2,700円が高いか安いか・・・・・・・・

食事中、一度だけ僧侶がやってきて、
三つ折の奉書紙に筆で豪快に書いた御布施の受け取りの証文と、
別の場所にある、奥の院に収める経木の位牌を渡してくださった

総本山金剛峰寺と街並みを見物し、奥の院に足を伸ばす
経木を収め、歴史上の有名人の供養塔を面白く眺めつつ、
お大師廟堂までお参りし、世界平和と友人の病気平癒を祈ってきた

友人の亡き父上は、軍艦長門の乗組員だった
私の祖父は、その僚艦、陸奥の機関兵だった
陸奥が爆沈したとき、亡き父上もその救援をしたそうだ
残念ながら、祖父はその際に戦死している
その慰霊塔が、参道に建っている
刻まれている祖父の名前を見ていただいた
この友人とは、不思議な縁で結ばれているようだ

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奥の院。この奥がお大師廟堂

興味深い宗教儀式を当事者として体験し、
美味しい食事を楽しみ、
風変わりな墓石を眺めるといった、
まるっきりの観光旅行の体だったが、
帰りも同じルートを戻り、家の近くまで戻るまで、
幸いにも、雨に降られずに済んだし、
お参りして一ヶ月以上になるが、その間に友人の病気も落ち着いた


それの功徳というのなら、供養というのも悪いものではない



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