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2012年10月29日 (月)

夏旅2012 その12 <想い>

大阪万博といえば、今でも語り継がれる一大祭典だ

半年の開催期間を終えたあと、その広大な会場のほとんどが緑豊かな公園に整備され、
現在、250円の入園料で、一日のんびり過ごすことができる


この公園に初めて来たのは、高校生の頃だっただろうか?

一人で行ったこと、民俗学博物館に行ったことは覚えているし、
そのとき買った小さな記念は今も引き出しに残っているが、
なぜ行こうと思ったのか、現地までどのような手段で行ったのか、
そこのところをまるで覚えていない


次に来たのは、一昨年である

そのときの目的はただ一つ、あの『太陽の塔』だ


それまでも、すぐ脇を通っている高速道路の車窓から、何度か見たことがあった
しかし、一度でいいから間近で見たい、という家内たっての要望に応え、行ってみた

行ってみると、その、圧倒的な存在に、参ってしまった

あんなに大きくて、理解し難い形状をしているのに、
とても大きな親しみを感じる
威圧感は全くない
むしろ、近づけば近づくほど、親しみ深く感じる
大きく飛び出した両腕(?)も、その直下から見上げても全く恐怖感がない

まさに、絶妙なバランスなのだ


そして、表面の仕上の丁寧さ
白い部分は吹き付けリシンのようで目新しさはないのだが、
赤と紺の模様部分は、タイルなのだ
特に赤い部分は細かい
白い部分より若干窪んでいて
その窪みの側面まで、モザイクタイルが貼られているのだ


まさに、圧巻である

前衛的な芸術の中で、初めて、いい!と思った作品だ



そのインパクトがとても好ましく、
きっと、旅のいい思い出になるだろうと思っていたので、
10日間に亘る旅行の最後の締めくくりに、ここを選んだのである



西の駐車場に車を止め、入園してからひたすら東に歩く
うっそうとした緑の中をまっすぐ通る石畳を抜け、広い芝生公園に出ると、
塔が姿を現す


Sp1030531
西側からの遠望


太陽の塔の背中には、別の顔がタイルで描かれている


S2010_052
月の顔、というらしい(2010年撮影)


前に回ると、見慣れたあの姿を拝める


S2010_039
太陽の塔正面(2010年撮影)

今年訪れた8月19日(日)は、とても天気がよかった

Sp1030535 Sp1030534
ちょっと横から(2012年撮影) この塔は、近づいて見上げるとうんといい


今回も、好印象だった

「べらぼう」なものを作る、という岡本太郎氏の想いが、
完成後、40年以上経った今でも、強く訴えかけてくる
そんな気がした


園内には気軽に立ち寄る施設は少ないし、
ここに来たのはこの塔をお見せしたかっただけなので、
売店で、園内で収穫した梅の実を使ったかき氷を食べて一服してから、
その梅を実らせた梅園や、森の中に作られた空中歩廊を歩き、駐車場に戻った

空中歩廊終端の展望台からのパノラマは、本当に素晴らしかった

Sp1030537
空中歩廊展望台から


公園を後にし、主に関西で展開している、「のらや」といううどん屋で昼食

Al6ran
のらや箕面店。猫をかたどった食器が可愛い


うどんも、大阪名物のひとつだ
とはいえ、ここで大阪らしいうどんを食べられるわけではないのだが、
万博公園から近く、高速入り口にも近く、席が個室だったので都合がよかった

人気の度合いは知らなかったが、我々が入店した後、ずいぶん行列が出来て驚いた
そこそこ美味かったと思う


万博公園は、江坂から、新御堂筋という大幹線道路を北に走り、
千里インターチェンジで、中央環状線に右に折れればいい
ホテルから30分ほどの近さだし、道順も単純そのものだ

これほど判りやすい道程なのに、
気づいたら、なぜか、千里インターチェンジの側道に入り損ない、新御堂筋を直進してしまっていた

ボーっとしていたわけではない
散漫だったわけでもない
なんというか、狐に憑かれたような感覚とでも言えばいいのか、
とても珍しいミスだった

無論、その先の交差点で難なくUターンできたのだが、
その先に、私を呼ぶ何かがあったのだろうか?
誰かがいたのだろうか?





よく歩いて、おなかいっぱいになった同乗者は、全員すぐに寝てしまった

その眠りを妨げないよう、名神高速茨城ICから静かに帰路を走った
米原で渋滞を避けて一般道に下り、関が原古戦場を走り、
中央道から、小仏辺りの大渋滞を避けるために長野道に逃げ、
渋滞に全く巻き込まれることなく、友人宅に帰着したのは0時30分ごろだった

別れ際の「楽しかった」の一言が、今も心に嬉しい




別に夫婦だけで行くのが嫌になったわけではない
気心知れた二人なら、気楽で、のんびり出来て、まぁ最高だ

ただ、完全に、子供が出来る可能性を絶たれた夫婦にとって、
死ぬまで、どのように生きていくかは、
何を語り合わなくても、常に互いの頭と胸の中に渦巻く主題である

今は元気な姑や父も、やがて、そんなに遠くない未来に、この世を去る

そして、我々も、やがては老いて、
家内か、あるいは私が死に、どちらかが、身内のいないこの世にひとり残される

そんな浮世の虚しさ、味気なさに想いを馳せることが多くなると、
この人、と思う人と、自分にとってのいいことを分かち合う、
刹那の幸せが欲しくなるのだ


大自然を前に、無邪気にはしゃぐ5歳の少女とその両親を見ていると、
我々と違うところで生きていくこの人たちの人生に、
ほんの僅かな楽しい思い出を記すことができて、
何かを後世に残す幸せのようなものを感じることが出来た気がしている


いい滞在だった





来年はどうなるだろう

きっと、あっという間に夏が来て、
二人だとしても、誰かが一緒だとしても、あの家に行って、
地の魚や野菜を味わっていることだろう


あと30回、そんな夏をすごしたら・・・・




「夢のやうに生きて夢のやうに死んで仕舞へば夫で済む事」

幸田露伴「五重塔」より





長らくの連載、お読み頂きありがとうございました

<おわり>

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コメント

旅行記、楽しませていただきました。
パンダのいる動物園等、私にとって新情報です。西日本にはほとんど行ったことがないので、いつか行ってみたいです。
特に、今回の岡本太郎の太陽の塔の姿にはびっくり。正面の写真はいろんなもので見たことがあるけれど、裏側や下からのものは初めてです。それに、今も存在していること自体意識したこともありませんでした。近くに行って見る価値がありそうですね。
同行の家族の方々との触れ合いもあり、ご夫婦にとっても充実した良い旅でしたね。

飛鳥さん いつもコメントありがとうございます

縁のない土地って、なかなか行けるものじゃないですよね
でも、その分、新鮮な驚きをくれるのも確かですよね
いつか、いらしてください

太陽の塔は、本当に見事な芸術造形物だと思います
駐車料金こそ高いですけど、入園料は安いですし、
とても豊かな気分になれる公園です
あっち方面に行くことがあれば、是非行ってみてください
損はしないと思います

今年の旅行記は、なんとなくダラダラ書きたくて、
時間を見つけて書き足しながらの文章だったので、
読みにくかったと思います
にもかかわらず、お読み頂きコメントまで下さいまして、
本当にありがとうございました

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