« 2012年8月 | トップページ | 2012年10月 »

2012年9月

2012年9月24日 (月)

夏旅2012 その5 <つきあい>

明けて翌日は朝から雨

今回の滞在は例年に増して天気が悪かった

実は、家内と来るようになってから、天候不順が10年以上続いている
それまでの20年ほどは、滞在中はたいてい晴れ続きだった

本当に、気候が変化したのかもしれない



友人一家には西向きの客間に寝てもらった

客間は西向きで、全面掃き出しの窓になっている

目が覚めてカーテンを開けると、こんな感じだ



P1040011
一昨年の写真ですが・・・


家の西一面にはベランダが取り付いている
外に出れば、視界一杯の太平洋を眺められる

今まで、数人の客人や友人をお連れしてきた
どなたも、朝はベランダに出て、直立不動でこの風景を眺めていたが、
今回の友人も例外ではなかった


写真と違って雨交じりの曇り空だったが



実は、滞在初日は、天気がそれほど良くないほうがありがたい

というのも、午前中は食材などの買い出しをしなければならないし、
帰ってきてからも、庭の草取りや植木の剪定をしなければ、海にも下りることができないからだ




買い物に行くその足で、村唯一の喫茶店にモーニングを食べに行く
未だ食材を買っていないので、家で朝食すら用意できないからでもあるのだが、
この喫茶店に行くことで、村への挨拶を済ませるのがより重要な目的だ

仰々しいように聞こえるかもしれないが、
海沿いの目立つところに建つ、ほぼ年中無人の草ぼうぼうの家は、決して健やかな存在ではない
それに、村の人はまず何も言わないが、陰では数々の迷惑も掛けているはずだ

そこにほんの数日滞在する人間が、村とは我関せずという態度で過ごせば、住民の方々がどう思うか


自分ならどう思うか


だから、お店には、サービスに対してお金を払い、個人には、ささやかなお土産を手渡す


そのぐらいのことしか出来ないのだが


その僅かの気遣いで、滞在を終える際には、ゴミの処分も頼めるし、
不在中に台風などで被害が出れば、連絡してきてくれる





一杯ずつサイフォンで淹れる旨いコーヒーと、4枚切りのトースト半枚、
目玉焼きに野菜とポテトのサラダ、果物一切れに、食後のお茶まで付いて、
ここのモーニングは550円だ

カラオケのモニターには高校野球が映っている
村人は、タバコが匂う店内に、明るい紀州弁を響き渡らせている
常連客は我々を知っている
知っているが、声は掛けてこない

そんな中、顔見知りの村人が声を掛けてくれる

そして、その第一声は、いつもこうだ


「いつ帰るん?」


”よう来たな”、でも、”久しぶりやの”、でもない
きっと、そんな分かりきった挨拶は、ぜんぶ含めてしまっているのだ



そんな賑わいを楽しみながら

こんな時にしか手にしないスポーツ紙を斜め読みつつ

のんびりとモーニングを食べる





お勘定の際、おかみさんが、

「しばらくぶりですな」

と言ってくれた


これまで、この喫茶店のマスターやおかみさんとも、言葉は交わしてこなかった
コチラの素性は知っているはずだけど、向こうも長年話し掛けてこなかったし、
こちらも、地域の輪に馴れ馴れしく入り込むのは不躾だろうと遠慮していた

なんとなく、互いにその距離を保っていただけに、
去年、初めて来れなかったことに気づいてくれていたのは、とても嬉しかった





ここの人は、シャイで懐っこいのだ





よそよそしい態度も、ぶっきらぼうな言葉も、
気質が分かってしまえば、夏の休暇を彩る心地良い風物詩である

2012年9月18日 (火)

夏旅2012 その4 <手始め>

門扉は、伸び放題の植木に邪魔されて、満足に開かない

ひと夏を無人で経た空き家など、たいていそんなものだろう


まず、家に入って明かりをつける

冷蔵庫に多少の食料を保存させているので、
電気だけは不在の間も通じさせている
だから、家は、すぐに息を吹き返したように明るくなる

しかし、簡単なのは電気だけ

次に、上水と温泉水、ガスを開通させるのだが、
いずれも、庭に散在している
その庭が、草木伸び放題なのだから、もう二苦労も三苦労も強いられる
おまけに、直前まで激しい雷雨が降っていたので、
これをしただけで湿気と雨雫でビショビショになってしまった


その間、家内は台所とトイレを手入れする

不在中の台所など、なにが這い回っているか知れたものではない
床はもちろん、流し、調理器具、食器、食卓など、すべて拭いたり洗ったりする
トイレは、便座カバーを掛け、ペーパーを新しいものに交換する


友人一家にも、掃除機と雑巾で、リビングと寝室、廊下を掃除してもらった


私は風呂場の準備だ

この家の風呂は異常なまでに広く、洗い場が3畳ほどある
床、浴槽をはじめ、手の触れる範囲を洗い流してからボイラを起動し、
適温の温泉が安定して出るのを確認して湯を張る


全く、留守宅というものは何かと手間が掛かるもので
旅館やホテルの宿泊費は、この費用なのだと納得する瞬間だ


湯が張り終わる頃には家中の掃除も片付いている
まずは、友人一家に湯に入ってもらう
温泉と言っても、硫黄などの匂いは無く、若干白くにごっている程度だが、
かなり強めのアルカリ泉で、入浴中のぬるりとした感触に反して、湯上りはサッパリとする

一時間近くの後に上がってきて、
5歳のお嬢さんまでもが、開口一番、「気持ちよかった~」とのこと

遠くまでお連れして、まずは喜んでくれて何よりの瞬間だった

事故もなく、無事の到着に乾杯した長旅の第一夜は、
さすがに疲れたのか、あっという間に高鼾だった

2012年9月12日 (水)

夏旅2012 その3 <到着>

行き道だけで3エントリー目というダラダラさですが・・・・



事故のメッカ、名阪国道は、例年と同じ独特な印象だった


巨大なローリーやトレーラーが、急勾配を、黒煙を吹き上げて走っている

物流国道というに相応しい光景だ

関東のように厳しい環境規制が掛かっていないのか、
関西では、未だに黒煙を吐いているトラックが多い
そのせいか、側壁やガードレールが、懐かしい黒ずみ方をしている

その汚れた感じが、独特の印象を与えるのかもしれない


一時間ほどの緊張から解放される名阪国道下り線の最後には、オメガカーブと通称される、とんでもない急カーブ急勾配がある

奈良の山塊から市街に降りるために作られた難所で、僅か10分弱の走行で400mもの高低差を駆け下りるのだ
その凄まじい高低差を緩和するために、道路がギリシャ文字のオメガ(Ω)字型に大きく湾曲しているので、このように呼ばれている

名阪国道のオメガカーブ(地図)


道の形状、高低差、知名度にワクワクして走っているつもりでも、
エンジンブレーキだけでは安全速度を保てない程の急坂である
内心は緊張しているのだろう

天理の街に下り、バックミラーの中で遠ざかる名阪国道を見て、
毎度、ホッとする自分がいる

奈良を通過するのに、さしたる時間は必要なく、程なく大阪に入る
途中、右手遠くに見えるはずの法隆寺は、今年も見つけられなかった
松原JCTで、西名阪道から阪和道に入ると、
幾らか寂しい風景の中、和歌山に向けてぐんぐん南下する

和歌山と大阪を隔てる寂しい山脈を坂道とカーブでやり過ごし、
和歌山市街を見下ろす眺めの良い紀ノ川SAで、高速上の最後の休憩を取る

ここまで来れば、高速の終点、南紀田辺ICまで、順調なら約一時間だ

ただ、この先は暫定交互区間が長く、中でも、下津ICあたりは勾配設計が拙いために、例年渋滞が酷かった
今回も覚悟していたが、なんと、2年来なかった間に、その区間が完成していて、
ありがたいことに渋滞は発生していなかった

紀ノ川SAを17:15に出発して、南紀田辺ICの出場は18:15
ぴったり一時間だった

例年のとおり、田辺市街の「銀ちろ」という、料亭も営む和風レストランで夕食
友人一家にとっては、南紀での初の食事だ
鰹の刺身やさんまの姿寿司など、地元の新鮮な魚料理を、気軽に楽しんで頂けたと思う


ここからは、国道42号を40分ほどの道のりである

朝来(あっそ)という街までは、田辺の市街地が連なっているが、
その先、富田川(とんだがわ)と併走するあたりから、突如、人家が疎らになる

すっかり日も暮れた後なので、どんな風景の中を走っているのか、初訪問の友人一家にはわからなかったことだろう

2/3ほど走ったところにある、一面の水田の中に建っている地元のスーパーで、
乾杯用のビールやおつまみ、衛生用品など、今晩必要なものだけを買い揃える

富田川の河口に程近いその店から串本の手前まで、国道42号は、太平洋沿いを、急カーブと急勾配で縫うように走る

この道のハイライト区間だ


そのハイライトを15分ほど走ったところで、突如、マンション街が目に飛び込んでくれば、
そこが、拙宅のある椿温泉だ



つづく

2012年9月 7日 (金)

夏旅2012 その2 <道程>

同行メンバーの中で、唯一の勤め人である家内の帰宅はいつも深夜12時ごろである
その翌早朝の出発は、いつも起きるのさえキツそうだった

いっそ、寝ずにその夜から走り通しで行くほうが楽なのかもしれないが、
意外と虚弱体質の私は夜通し運転する体力がない

しかし、今回は同行のご主人と交代しながら運転する
そこで、木曜の深夜から行っちゃえばどう?という奥さんのふとした一言に乗っかることにした

そして、金曜未明2時半

埼玉県富士見市の友人宅から程近い、関越自動車道三芳PAのスマートICから入場

小さな子供というのはトイレが近いものなのか
出発から15分と経っていないというのに小休止
でも、この先は寝てしまうだろうから、ちょうどいいのかもしれない

渋滞や事故のアナウンスもなく、滑り出しは順調だ

鶴ヶ島JCTから圏央道を経て中央道に入る
練り上げたスケジュールの通り、
03:30談合坂SA、04:55八ヶ岳PA、06:15駒ケ岳SAと順調に走行し、
07:20には恵那峡SAで朝食を摂れた

恵那峡SA以降は次々とJCTを通り抜ける複雑なルートのため、経験者の私が運転する

名古屋の通勤渋滞を避けるために土岐JCTで東海環状道に逃げ、
豊田JCTから伊勢湾岸道に接続
観覧車併設の刈谷PAに09:20に立ち寄った後までは順調だったが、
木曽三川を渡ってすぐ、みえ川越ICあたりから、初めて渋滞に巻き込まれた

ここの渋滞は毎回のことで、渋滞必至の本当に酷い設計なのだ
この先にある四日市JCTで、東名阪道(2車線)に伊勢湾岸道(2車線)が合流する
双方とも、名古屋と大阪を結ぶ幹線で、かなりの交通量があるにも関わらず、
合流後も、たった2車線しか無い

明らかに容量不足
ここがボトルネックなのだ


平日の昼時というのに、みえ川越ICから亀山JCTまで約35km、通常25分の道程に、90分も掛かってしまった
平均時速25km弱は、高速道としてはいかにも遅い

NEXCOも、この状況はさすがにマズイと思っているのか、
この区間にはバイパスが予定されている
開通が心底待ち遠しい

亀山からは名阪国道で紀伊半島を横断する
この道は国道25号のバイパスなのだが、
東は東名阪道と、西は西名阪道と直結された自動車専用道で、
見た目も高速道路と見紛う、ちょっと有名な道路だ

無料ということもあって、交通量は相当多いが、
流れはよく、全長70kmあまりを一時間程度で通過できる

しかし、急カーブ、急勾配の連続で、事故が多いのも有名だ

幸いなことに、未だに、事故を目撃したことも、危険な目に遭ったことも無いが、
独特の緊張感を抱かせる道路だ

なぜ、わざわざそんな危険な道を選ぶのか
名古屋から和歌山に抜けるなら、名神→ 近畿道→阪和道のほうが素直だろう

経路上の京都や大阪という混雑地帯を避けられるし、
距離が短く、料金が安い(名阪国道は無料)ということもある
奇妙な建物や法隆寺も遠望できる沿道風景も面白い

しかし、なんと言っても、東海道関宿の脇を通っているのは大きい

ココは、宿場の遺構としては指折りの壮観である

時間に余裕が無いときには通過してしまうのだが、
友人一家は関東一族。近畿への旅は初体験ということなので、
今回は、昼食がてら、久々に立ち寄った


Sp1030494 Sp1030493
東海道関宿の壮観。鈴鹿峠を控えた巨大な宿場が、今もなお濃厚に残っている。にしても・・・・・・人少なっ


旧東海道でありながら、現在の東京-名古屋-大阪のメインルートから大きく外れた位置にあるこの関宿

関東住民にとって、行く機会はほとんど無いだろう


食事を含め2時間ほどの短い滞在だったので、見学施設もほぼ素通りだったが、
幸いにも人出が少なく、5歳の娘さんも嬉々としていた
大きくなっても覚えていてくれるだろうか・・・・



このあと、前述の名阪国道を走り始めた時には、予定より2時間半遅れていた



つづく

2012年9月 4日 (火)

夏旅2012 その1 <出発>

昨年、家内の子宮癌の摘出手術で行けなかった夏の旅行に行ってきた

ここのところ、姑と一緒に行っていたのだが、
今年は、以前私が図面を引いた住宅にお住まいのお友達一家と一緒だ

昨年、家内の入院中のこと

引渡し後も交流が続いていたそのご主人から、
庭先に小さな倉庫を置きたいので、手伝ってほしい、と頼まれ、
久しぶりにお住まいに訪問し、ご主人を一目見て、
その、浅黒く艶のない肌と、げっそりと痩せた全身にびっくり仰天してしまった

しばらくお会いしないうちに、重い胃癌を患って、胃を全摘したと言うから驚いた

もし、先が長くないとしたら・・・・・

倉庫の設置で何度か訪問するうち、
後悔する前に、なにか恩返しをしておきたくなって、
奥様と、5歳のお嬢さんの3人家族を、和歌山の家へバカンスに誘おうと思い至ったのだ

誘ってみると、想像以上に乗り気のご様子

ただ、その乗り気がリップサービスという可能性もなくは無い
話が立ち消えにならないように、なおかつ断りやすいように、
用心深く連絡を取っていると、その後の一年は、まさにあっという間だった

いよいよ本当に行く気満々、という確証を得られてからは、
30年来の現地の経験を総動員し、
出発日、ルート、滞在日数、滞在中の過ごし方を練りに練った

事前に何度か打ち合わせを重ねながらも、
現地で受けるサプライズを目減りさせないよう、
情報の露出は程々に留めた

また、友人一家にとっては、旅先は他人の家である
もしかすると、一生に一度の訪問かもしれない
楽しさと充実感を、疲れさせない無理の無い日程で組むのは、それなりに気を遣う作業だった


最終的に、お互いに時間の融通が利く点を最大限に活用して、
8月10日金曜日に出発し、和歌山で7泊、大阪で2泊の、計9泊10日の日程を組んだ


内容については次以降で
(そんなに面白い内容にはならないかもしれないが)

04
我が埼玉から和歌山の家まで。これだけの距離がある。遠い

« 2012年8月 | トップページ | 2012年10月 »

フォト
2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
無料ブログはココログ