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2011年11月16日 (水)

紅葉(2)

中津川の集落の手前の右手に、短い隧道が狭い口を開けている


いかにも、山道への入り口然とした雰囲気だ


この隧道をくぐらずに県道を西進すると、その先には中津川の小さな集落がある
そこには、以前手掛けた民家の移築の建て主さんのご実家があり、一度招待されたことがある
樵であり猟師でもあるご主人自ら獲ってきた鹿の干肉や岩茸、大きさがまちまちのイワナ等、本物の山の幸を味わったことがあった
山の暮らしがひしひしと伝わる、味わい深い体験だった
また、2年前に紅葉狩りに来た時には、あまりの寒さにこの隧道の前でUターンしてそそくさと帰った


そんなわけで、この隧道入り口の景色は見慣れていた
しかし、ここから先の八丁峠越えは、今回初めて足を踏み入れる林道である


寂れた峠道に初めて乗り込む時の期待と緊張は、いつも独特だ


6.2万キロ余りを走破し、製造から17年が経ったバイクだから、途中でトラブルに見舞われるかもしれない
悪路を乗りこなせずに事故を起こすかもしれない
猿や鹿、熊と衝突するかもしれない

いずれにしても、交通量が少なく、極めて辺鄙な場所で何か起これば、かなりの困難が襲いかかるのだ

ヘルメットの中の小さな孤独に自問する

大丈夫か?
  ここまで快調だったのだから大丈夫だろう
行けるか?
  他にも走っている人がいるのだから行けるだろう


初めての道への第一歩は、いつもこうだ



八丁峠への山道は、日窒鉱山の繁栄の跡が廃墟となって残っていることから、
一部の人間に愛好されているようだ

かくいう私もこの手の光景は好きだ
廃墟がブームになる前から惹かれていたから、本能的に好きなのだろう


配管が道路脇にのたうち回り、通常では考えられない勾配のついた坂がいかにも鉱山の実用トンネル然とした、一車線の素堀トンネルを抜け、北隣の谷筋に出ると、空は一気に晴れ渡り、鉱山の風景が広がった

空模様と日差しの変化は劇的で、まるでおとぎの国に迷い込んだかのようだった

あらかたバイクで通り過ぎただけだったので、おおざっぱな印象だが、
建物の殆どは木造のように見受けられた

そして、状態は極めて悪かった

無論、社宅というものは所詮は粗末な普請だし、
加えて、ここは平地の少ない谷間だけに、建物の殆どが道に寄り添うように建っていて、踏み込むのは容易だ

この日も、廃墟にはいささか不似合いな、アニメキャラクターのカラフルなコスチュームとカツラを身につけた若者が立ち入って写真を撮っていた

これでは、荒れるのも仕方がないのだろう


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粗末なトタン葺き。ビジネス旅館だろうか

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背後の山はもう殆ど散っている

狭いつづら折りの上り道には、思いの外の交通量があった

濡れ落ち葉でスリップしないよう、警戒しながらやり過ごす
肩に力が入る

やがて、唐松の黄色い円錐形が目立つようになり、重装備を通して冷気も感じるようになると、標高を稼いだことを実感する

ただ、紅葉には、少し遅かったようだ

先週の土曜日はイベントに参加し、日曜は雨で来られなかったが、
残念ながら、その週末が盛りだったのかもしれない

Sp1030420 Sp1030421
美しい色合いは一部。全山紅葉を見るには遅かった


-つづく-

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