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2010年12月31日 (金)

自由と歓喜に寄す

年の瀬の定番といえば、第九だ

ベートーベンの交響曲第九番

あまりにも有名で、あまりにも定番すぎて、飽きられてしまったのか
最近は耳にする機会が減ったように思う

今まで、何人かの指揮者による、何組かの交響楽団による第九を聴いたが、
どれもが、いかにも、いかにもな調和で、心底いいなぁと思う演奏になかなか出会えない

どれも、定番として、いい曲だとは思うけど

ところが、かれこれ20年前に、しびれちゃったのだ

レナード・バーンスタイン指揮

楽団は、バイエルン放送交響楽団とドレスデン国立管弦楽団員
1989年のクリスマスに、東ベルリンのホールで録音されたライブだ
レコーディングエンジニアはバイエルン放送協会


バイエルンは西ドイツ
ドレスデンは東ドイツ

そう、東西ドイツを隔てる壁が崩壊し、歓喜に湧くあの冬のクリスマスに、
東西ドイツの音楽家、エンジニア、聴衆が集結して、
まさに歓喜の中で演奏・録音された第九なのだ

あの日に起きたことを、私はテレビの生中継で見た
生まれた時から存在していた、東西ベルリンを隔てる壁の上に
多くの人々がよじ登っていた
考えられない光景だった
何か、得体の知れない悦びを感じたものだ

その年のクリスマスの、壁崩壊を祝う第九のコンサートである
何度聴いても、本当に溢れんばかりの歓喜が伝わってくる
そして、何度聴いても飽きない


この演奏、実は、原曲と歌詞が違うらしい
第九の合唱は、元来「ODE AN DIE FREUDE(歓喜に寄す)」だが
この演奏では、「
ODE AN DIE FREIHEIT(自由に寄す)」となっているのだそうだ
このライブにふさわしい手心ではないか


私が、このベルリンを訪ねたのは、1995年の3月
壁の崩壊から5年少々経ったばかりだった

壁の一部は保存され、撤去した壁のあとには、レリーフが埋め込まれていた

S01 S02
西ドイツ側のベルリンの壁は落書きだらけ(1995年)       「BERLINER MAUER 1961-1989」とある

この、薄い壁一枚がもたらした人類の悲しみは計り知れない
崩壊から5年経ったその時の、壁の周辺はとても静かだったが、
それが崩壊したことの喜びというものも計り知れない

今年は、一年の間に色々あり過ぎて、辛かった

しかし、それでも前を向いて生きていかなければならないとするならば、
この、人類の歓喜の結晶ともいえる演奏を、一つの心の支えにして、
新しい年を過ごしていこうと思う

このような、人類の最高の喜びをたたえる、素晴しい音楽のエントリで、
今年最後のブログを締めくくりたい

このブログは、読んで頂いているあなたのおかげで続けられています
本当に、どうもありがとうございます
来年も、あなたの訪問を、心から待ち望んでいます

どうぞ、良い新年をお迎え下さい・・・・

Sp1030145
レナード・バーンスタイン指揮の第九"ODE AN DIE FREIHEIT"

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