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2010年10月22日 (金)

泉光院旅日記

「ひっそりと」の記事に登場した、江戸時代の旅日記だ

6年掛けて、本州・四国・九州を歩きたおした
山伏の托鉢修行の旅である

この本は、大江戸シリーズで有名な石川英輔氏の著書で、
原本の現代語訳に、石川氏の解説が組み合わされている

日々の記録は淡々としたものだ
原本も、托鉢をしながら、日々起きる様々な出来事や出会いを淡々と書き記しているようで、
感慨に耽るような記述はないが、
遠い過去の日常に、読む側は深い感慨を抱くのだ

この本を読んだのは97年頃
なんというか・・・・強い憧れを抱いてしまった
全国を歩いて旅することも夢見たが、
それよりも野田泉光院に憧れたのだ

でも、当然本人に会えるわけではないし、
彼が旅したその場所に立っても、
ましてや地図を辿ってみても、
憧れを満たすほどの
感慨は沸かなかった

宮崎県の佐土原出身の泉光院は、その地に墓があると本に書かれている
初めて、赤の他人の墓参りに行きたくなった

当時、路面電車の研究の取材に熊本に出掛けたあと、
肥薩線で大畑(おこば)の大ループ線を通り、人吉に下りて、都城から宮崎に出た

佐土原駅前から墓のある寺までのバスに乗ろうとしたが、運悪く最終バスが出たあとだった
翌日、佐土原の駅前で腹ごなしに太巻き寿司を買い、寺を尋ねた
寺の大黒さんに泉光院の墓のことを訊くと、珍しそうな顔をしながらも、道筋を教えてくれて
あまりお参りする方もいないので、道が悪いから注意してほしいと、
宮崎の言葉で心配してくれた

寺から墓までは、確かに人の歩いた痕跡も消えていて、
このように本当に道が悪かった

S02

そして、山の中腹にひっそりと佇む泉光院の墓にたどり着いた

S

土葬の影響か、墓石は幾分傾いていたが、立派な墓だった

誰一人いない山の中腹にある墓参り
墓石に触れながら、やっと逢えましたね、そう語りかけてみた
人の声は一つも聞こえなかったが、
木漏れ日の杉木立には蝉時雨が降り注いでいた

彼の旅の始まりから185年経っていた

S03

寺までの鄙びた風景

この町から、後に蛯原友里(エビちゃん)がデビューする
当時、エビちゃんは18歳。地元の女子高生だったようだ

小笠原を薦めてくれた人には、この旅で出会った
えびの高原あたりで乗り合わせた地元の小学生と、UNOで盛り上がった
撮った写真を、当てずっぽうで地元の小学校に送ったけれど、返事は届かなかった

この年、何度も出掛けた一人旅の思い出だ

ところで、野田泉光院は、ちょうどこの季節に静岡県掛川市の横須賀町にも滞在している
横須賀町では、今日から日曜日まで、「遠州横須賀街道ちっちゃな文化展」という催しが開かれている
沿道の民家の座敷に、芸術家の作品を展示する催しだ
それを、見物人が座敷に上がり込んで冷やかしていく
肩の力が抜けた、素晴らしい文化展だった

エボルタ君が、最寄り駅の掛川、袋井を歩くのは、日曜か月曜だろう

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