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2010年10月23日 (土)

西村由紀江

ポップなピアニストとして、特に出身地の関西で有名な方だ

この方を知ったのは古い
高校3年生の頃だから、22年も前のことだ

出会いは、相当印象的だったのだろう
オーストラリアの大平原を走る鉄道を空撮で俯瞰する映像を鮮明に覚えている
その雄大な風景のバックに、「夕日のスーベニール」が流れていたのだ
あの、「世界の車窓から」の一コマである

西村さんの初期の曲は、幼稚さもあって、正直、あまり好きではないのだが、
夕日のスーベニールだけは秀逸だった
88年発売のデビュー3作目のミニアルバム「Dolce」冒頭に収録されている

以来、ずっとアルバムを買い続けた
5作目「風色の夢」は、印象派の絵画のように、
ピアノの余韻に満ちあふれるミニアルバムで、なかなかに素晴しい

しかし、なんと言っても、燦然と輝くベスト中のベストが、
1993年発売の「graceful」である

P1030062

それまでの西村由紀江という人は、割とピアノを全面に出してくる傾向があって、
曲やサウンドは、彼女のピアノ独演に付いてくるおまけのような印象だった
ところが、このアルバムでは、一転してピアノが曲やサウンドの一員になったのだ
ピアニストではなく、ミュージシャン西村という感じなのだ
でも、ちゃんとピアノが光っている(ピアニストの曲なんだから当然だけれど)

そして、そのメロディや編曲、曲順も素晴らしい

オープニングで深遠な世界に引きずり込まれ、
珍しく歌詞の付いた曲で中盤を締め、
愛の素晴しさに溢れる
エンディングまで、一気に聴き通してしまうのだ
そして、聴き終えた後は、もう、ウットリしてしまう

東郷たまみの絵が散りばめられたアルバムジャケットも、
黒染めに赤でタイトルをさらりと書いたレーベル面も素晴しい
タイトル通り、上品でしとやかで、優雅で、気品がある

もう、とにかく、どこを切っても最高の出来映えなのである


西村由紀江を聴くなら、迷いなくこの「graceful」をお勧めする


残念なことに、この後のアルバムは、ピアノ曲へと回帰、さらに純化していく
それだけならまだしも、やけに激しかったり、感情的だったりで、
面白みが無くなってしまうのだ


その一時期だけの最高の相性というものってあるのかもしれない
僕にとって、西村由紀江さんは、このgracefulの一時期が最高に相性が良かったのだろう
でも、今度こそ、gracefulに並ぶ名作をと、期待しちゃうんだよな

そう想い続けて17年も経っちゃったけど
でも、「おっさん」だなんて呼ばないでね

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