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2010年9月

2010年9月24日 (金)

ひっそりと

無名だけれど良いところ、というのが好きだ
それを見つけた時、無上の喜びを感じる

「大江戸泉光院旅日記」という本を何度か読んだ
江戸時代の山伏が、全国を托鉢して旅した日記だ
その旅先に、和歌山の家の近所も含まれている
前々から行きたかったその集落に、この夏、行ってみた

「中」という字だ
ここがよかった

P1020013

車で15分も走れば、白浜温泉のど真ん中に着くという位置にありながら、
ひっそりと、品良く佇んでいた

好きな街並みなど、そうそう見つかるものでもない
久しぶりに見つけた、無名だけど良い風景だった

ちなみに、プロフィール代わりに貼り付けてある写真もこの集落のものだ

2010年9月22日 (水)

すし捨

「すし捨」は、有名な織田作之助の夫婦善哉にも登場すると云われている老舗の寿司店である
但し、同じ道筋に同じ屋号で2軒あったらしく、どちらかはわからないらしい

祖母が存命中、岡山の仕事をしていた時期がある
週末の出張が多く、東京から新幹線での出張の帰り、上司は自由行動をさせてくれた
相生橋筋という、妖しい通りにあるその店の暖簾を、何度も潜った
道頓堀に近い方のすし捨である

店の雰囲気は古かった
便所など、鴨居があまりにも低く、何度も頭をぶつけたものだ

しかし、桧のカウンターで味わう寿司は旨かった
注文すると、一枚下駄を履いた主人が、へいっと応え、
つまみや寿司を出してくれた後、小石か何かを、ちりんと器に入れた
それが、勘定代わりだったのだろう

車海老の踊りを考案した店と云われているそうだ
今は、さっと茹でて握ったほうが美味いと感じている

2004年に結婚した嫁と一緒に、同年8月に行った際、
以前よく祖母と来ていた者です、と話し掛けると、主人は、
「よう覚えてます、よう来てくれはりましたなぁ」と言ってくれた

そのすし捨に最後に行ったのが5年前の2005年1月だった

今年、そのすし捨に久しぶりに行った
かつてのすし捨をご存知の方は、どうお思いになるだろう

P1040054_2

庇の瓦屋根に面影が残る。ここが「すし捨」だったのは間違いない

廃業したのか、移転したのか
ネットで検索しても、何もヒットしない

岡山への出張には、500系のぞみを利用した
その500系も、短く切り刻まれ、山陽区間専用のこだまになってしまった

時間の流れは容赦ない

2010年9月21日 (火)

村上龍

現代文壇のもう一人の村上である村上龍の「限りなく透明に近いブルー」である

長らく本棚で眠っていた

何故、読まなかったのかといえば、読んだ人には想像がつくだろう
あまりに激しい背徳的行為の描写に、読み続けられなかったのだ

しかし、芥川賞受賞作、母の夕食の介助のあとの面会制限の20時まで、
空調の利いた病室で、やっと読破した

P1040072

幸い個室だから読んでいられた
少なくとも、大部屋で読むにはいささか背徳的に過ぎるのでオススメできない

最初から最後まで、あくまで激しかった
巻末の解説を読まなければ救われない小説は初めてだった

この小説は強烈な個性を持っている
滅茶苦茶な文章ではあるけれども、これは凄い
正気の人間が書いたのか、本当に疑ってしまう

芥川賞を受賞しているが、すくなくともこれを選考対象とした選考委員の方々は、
凄い眼力を持っているものだと感心してしまった

当たり前だが、名字が同じでも、中身はまるっきり違う
どちらにも良さはあるが、
読み心地の良い村上春樹のほうが好きだ

村上龍の凄さは、この一冊でよくわかったが、
今度は「愛と幻想のファシズム」を読んでみよう
また別の印象を抱くことができるかもしれない

2010年9月11日 (土)

村上春樹

高校3年の時、同じクラスの女の子が、何故か僕に「ノルウェイの森」を貸してくれた
村上春樹の押しも押されもせぬ代表作は、当時は最新刊の単行本だった

赤と緑の装丁に巻かれた金色の帯が眩しかった

今、手元にあるのは文庫本だ
何度も何度も読んだせいで、装丁はボロボロになり、すでに丸裸の二冊である
久しぶりに、つい先日まで読んでいた


この中に描かれている美しい風景や、音や、性描写に現れる心の叫びのようなものは、
いつ読んでも、僕にある種の懐かしさと安らぎと虚しさを与えてくれる

ノルウェイの森に登場する多くのモチーフは、
1979年のデビュー作「風の歌を聴け」に登場している(と思っている)
スケールは異なるが、ノルウェイの森を読むと必ず、こいつも読みたくなる

P1040071_2


しかし、何度読んでも、高校生の女の子が、恋人でもない僕に、
ノルウェイの森を貸してくれた真意が理解できない
彼女自身、貸した理由など、判っていないのかもしれない


その18歳のできごとも、
これらの小説が描く世界と同じような、
青春のグダグダが生んだ偶然なのかもしれない

2010年9月 8日 (水)

綺麗なだけに・・・

夏には珍しく、富士山の見える夕景

ある患者さんが、お見舞いの方と話している

「退院したら、あの富士山に登りたい」

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東向きの母の病室からは、この夕景は見えない

今の母には、見えない方が幸せかもしれない


病院で夕景を見ると、色々なことを考える

2010年9月 1日 (水)

和歌山の海

例のもぬけの殻の家は、目の前に海原が広がる
天気さえ良ければ、毎日、夕焼け空のスペクタクル

P1040007_2

こんなに綺麗なのを見られたのは何年振りだろう?

輝く雲、照り返す海

この夕焼け空と海を眺め、潮騒を聞いていると、何も考えない自分になれる

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